避難生活で歯磨きをサボると病気のリスクが増える?!

災害で長期間お口のケアが出来ない状態

今回は、歯磨きについての知識を深めましょう。子供の頃お母さんに「歯磨きをしてから寝なさい!」とよく怒られたものです。しかし、避難生活中は歯磨きしたくても十分な水がなくそもそも、歯ブラシがないなんて状況も十分に考えられるのです。

口臭だけじゃない!歯磨きがとても大切な理由

歯磨きせずにほおっておくと、歯周病等が進行していき、口の中は細菌がたくさん繁殖した状況になっていきます。避難生活中に私たちは、以下のような状況にあります。

  • 慢性的なストレス状態
  • 簡素な食事による栄養バランスの悪化
  • 口臭がひどくなり会話も満足に出来ない

このような状況下では、体の抵抗力も落ちてしまっています。抵抗力が落ちてしまうと様々な感染症にかかりやすくなります。なのに、お口の中は細菌でいっぱい・・・とても危険な状態です。

お口のケアについて阪神淡路大震災に学ぶ

近年の研究の結果、建物の倒壊等に巻き込まれて死亡した「直接死」を除いた、「震災関連死」の原因で最も多かったのは、「肺炎」という研究結果が出ており、割合は約25%です。

震災関連死とは、建物の倒壊・地震・津波など震災を直接の原因とせず避難生活での病気や体調悪化等間接的な原因で死亡することをいいます。

避難所は人が密集しています、インフルエンザ等に起因して肺炎の症状が蔓延した事も要因としてあげられますが、お口のケアが出来ないことで、細菌が増えて「誤嚥性肺炎」を発症した事が大きな要因になっている、というのです。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは何か?

肺炎とありますからその一種なのかな?と推測はできますが聞きなれない言葉ですね。唾液や食物、胃液などが誤って気管や気管支内に入ってしまうこと「誤嚥(ごえん)」と言います。若い人なら、気管内に異物が入ると食べ物などの異物を外へ出そうとして咳などの反射を起こしますが、

高齢者ではそうはいかないのです。歯磨きができないことで、お口の中は細菌だらけです。唾液や食べ物を飲み込んだら、大量に細菌がくっついた状態で飲み込む事になります。そしてそれを「誤嚥」すると当然・・・大量の細菌が気管に入り込み、肺に到達します。

さらに悪い事に簡素な食事とストレスにより抵抗力も落ちている状態です。もうおわかりですね?そして肺炎を発症するのです。これが「誤嚥性肺炎」のメカニズムです。

若い方も歯周病に注意してください

若い方はまだ抵抗力もある方ですから「誤嚥性肺炎」の可能性は低いかもしれません。しかし、歯周病のリスクは十分あります「若いから平気、一週間ぐらい大丈夫!」普段の生活であれば大丈夫かもしれませんが、今は避難中だということを忘れないように!

歯周病の悪化が引き起こすと言われている病気をあげておきます。「えっ?!」こんな病気の原因にもなるのかと思うはずです。

  • 狭心症
  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 妊娠性歯肉炎
  • 低体重児早産

口内の細菌がどのような症状をもたらすのか完全に予想をするのは困難でしょうがお口のケアのがどれだけ重要か理解して頂けたかと思います。それでは、具体的な方法を見ていきましょう。

ケア用品の備えが無かった場合の対策

手で歯を磨く

ハンカチやティッシュを指に巻いて歯をぬぐいます。歯の裏や歯間もできるだけキレイにするようにしましょう。汚れを取るだけでもだいぶ違ってきます。

食後のうがい

口内に食べかすが残っていると、それを餌にして歯周病菌が増殖します。食後は少量の水でうがいをすることで、食べかすを除去しましょう。

唾液を出す

唾液を出すことの重要性をまとめておきます。

  • 虫歯の原因菌が出す酸を薄めるphコントロール作用
  • 外部から口内に侵入してくる細菌から防御する
  • 外部から口内に侵入してくる細菌から防御する
  • 食べかすや細菌を洗い流す作用

唾液が少ない事によるリスク

ドライマウスと言う言葉があるように、口内がカラカラに乾燥した状態は良くないのです。乾燥した状態が引き起こす症状をまとめておきます。

  • 口臭がひどくなる
  • 免疫力低下
  • 歯周病、口内炎にかかりやすくなる
  • 細菌が増える事で誤嚥による肺炎リスクが上が
唾液のだしかた

✅  ガムを噛む

虫歯予防をキーワードにしている製品を選ぶと良いでしょう。例えば、ポスカム/キシリトール/リカルデント等です。人によってキシリトール等の甘味料は、下痢を引き起こす場合がありますので注意して下さい。

✅  よく噛んで食べる

避難生活中は満足な食事が出来ずお腹が空いているので、ついついすぐに飲み込んでしまうかもしれませんがゆっくりしっかり噛むことで唾液がたくさん出ます。そして、より満腹感も得られます。

✅  舌回し体操

口を閉じたままで舌を歯の表面に沿ってまわします。(上の歯と下の歯の表面を舌の先でなぞるように)この体操、ほうれい線を消す効果があると言われている方法ですが唾液がたくさん出ます、一度お試しあれ。

ケア用品を持ち出し品として準備する

液体歯磨きを使う

普段お使いの歯磨き粉は最後にかならず「お口をすすぐ」必要があります。避難生活中は、水が確保しづらい状況を想定していますのですすぐ必要がなく、殺菌成分を含んでいる液体歯磨きが良いでしょう。適量を口に含んで数十秒すすいでから歯ブラシします。歯ブラシがない場合は、ティッシュやハンカチで汚れを拭いましょう。

歯間ブラシ(デンタルフロス)を利用する

歯の間に挟まった食べかすや、歯垢を強力に除去してくれます。全ての歯と歯の間をキレイにしていきます。ブラシを入れたらゆっくりと数回動かしましょう。やりすぎると歯茎を痛めてしまいますから程々に。

マウスウォッシュを使う

お口の中の細菌を減らしてくれます。歯間ブラシを使用した後にマウスウォッシュしましょう。最後にマウスウォッシュすることでキレイに歯をコーティングして守ってくれます。液体歯磨きとは用途が違い、汚れ落としを目的としたものではありません。ですから、ここまでで記載した方法で汚れを落としてから最後に使います。

お口のケアのまとめ

お口のケアをおこたると様々な病気のリスクがあること、そしてその対策についてお話しました。普段の生活でも歯磨きをもっと大切にされてはどうでしょうか。お母さんの「歯磨きをしてから寝なさい!」の言葉には実はこのような深~い理由があったのですね。

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