【安全に避難】JIS基準の安全靴をおすすめする理由を徹底解説

【安全に避難】JIS基準の安全靴をおすすめする理由を徹底解説

「靴」は1次持ち出し品の必須用品に分類しています。靴の種類の一つとして「安全靴」を取り上げていますが、きっちりとした性能の区分けがなされています。どのような性能に分類されているのか、そしてその実力は如何に?

今回は安全靴の性能を詳しく見ていきましょう。

[豆知識]安全靴と静電靴の違い

安全靴と静電靴の違い

よく知らない人はこの辺をごっちゃにしていませんか?この際はっきりさせておきましょう!日本工業規格(JIS)には以下のように区分されています。

JIS T 8101 安全靴

主として着用者のつま先を先芯によって防護し、滑り止めを備える靴甲被は革製では牛革、総ゴム製では耐油及び非耐油ゴムに限られています。参考:JIS T 8101

JIS T 8103 静電気帯電防止靴

人体への静電気帯電のために起こる爆発、火災のような事故及び災害、ならびに製品の汚れなど生産への悪影響を防止するために工場などで働く作業者が使用する靴 参考:JIS T 8103

違いがわかったでしょうか?お仕事で「静電靴買ってきて!」と言われて「安全靴」を買ってきてしまった新人のあなた!もう間違わないようにしてくださいね。では本題に行きましょう。

N(ニュートン)の考え方を簡単に解説

N(ニュートン)の考え方を簡単に解説

解説に入る前に、ニュートンと言う言葉が頻繁に出てきますので、混乱のないように先におさえて置きます。「ニュートンって確か昔習ったよなあ・・・」という方のために、簡単にイメージをまとめます。

1kgの質量を持つ物体にかかる重力は9.8Nと表現します。1kgのものをあなたが持ったら適度な重さを感じますよね?この感覚が9.8Nということになります。

宇宙空間では重力はありませんから、1kgのものを持っても重くないはずですよね?ですから 0(ゼロ)Nといえます。9.8Nとは、1kgのものを持った時に体感出来る重さと思って下さい。

でも、体重計に乗った子供や抱えた子供を「うーん内の子供は◯◯Nはあるな!(ドヤ顔)」なんて言いませんよね・・・ですから、体感できる重さを我々が馴染みのある◯◯kgに置き換えたければ、9.8で割り算してやります。

もっと簡単に10で割るとして良いでしょう。今後、N(ニュートン)が出てきたら10で割ってみましょう、そうすると想像しやすくなります。

さて、ここで問題です!10,000N を持ち上げると地球上では体感何キロでしょうか?

正解は・・・10000N ÷ 10 = 1000kgf [約1トン] となります。

今後の安全靴の解説で出てくるニュートンの数値は、「10で割って考える」と現実世界とマッチング出来るので理解しやすいです。

安全靴の性能基準 JIS基準

安全靴の性能基準 JIS基準

安全靴の性能基準は以下のように区分されます、それぞれ詳しくみていきましょう。

安全靴の性能を決める基準一覧
  • 耐衝撃性能
  • 耐圧迫性能
  • 表底のはく離抵抗
  • 漏れ防止性

1.耐衝撃性能

安全靴の耐衝撃性能

重量物がつまさきに落下した場合に衝撃から守る性能をいいます。ストライカと呼ばれる尖った金属(約20kg)を指定の高さからつま先にかけて落下させます。その後中底と先芯の間に決められた隙間が確保出来ている事を試験します。

性能は以下の3種類に分類されており日本国内において普通作業用が最も普及しており、記号「S」が記載されています

記号 ストライカを落下させる高さ
重作業用 (記号H) 51センチ
普通作業用(記号S) 36センチ
軽作業用 (記号L) 15センチ

2.耐圧迫性能

安全靴の耐圧迫性能

つま先に重いものを乗せた時にその重さからつま先を守る性能をいいます。性能は以下の3種類に分類されており国内において利用範囲が広いのは、普通作業用となります。

記号 圧迫荷重
重作業用 (記号H) 15kN
普通作業用(記号S) 10kN
軽作業用 (記号L) 4.5kN

1kN = 1000N なので、普通作業用では 10kN × 1000 = 10,000N すなわち、10,000N ÷ 10 = 1,000kgf となりますから、普通車1台分より少し軽いぐらいのイメージとなります。

3.表底のはく離抵抗

安全靴の表底のはく離抵抗

靴底が簡単に剥がれないかどうかを試験します。下記の表に示す通りの力で以上で引っ張らないと剥がれないということです。

記号 圧迫荷重
重作業用 (記号H) 300N以上
普通作業用(記号S) 300N以上
軽作業用 (記号L) 250N以上

紳士向けの普通の靴は、メーカーごとに基準が違うものの、約100N以上と言う基準が一般的なようですから、安全靴はその3倍程度のはく離抵抗を持っていると言うことになりますね、丈夫なはずです。

4.漏れ防止性

安全靴の漏れ防止性

この性能試験は「総ゴム製の安全靴」が対象となります。水が靴の内部にしみこんでこないかを試験します。ご覧のように靴を全部浸してしまいますから、革製品だとさすがにこの試験には耐えれませんね。

靴の開口部を密閉して空気を入れて膨らませた状態で水につけて、表面に気泡が出ないかどうかをチェックします。

付加的性能のある安全靴のJIS基準

付加的性能のある安全靴のJIS基準

以下の性能を持つ安全靴は「付加的性能のある安全靴」といい、安全靴本体または箱に記載されてます。踏み抜き性能を持っていれば、記号「P」が記載されています。

付加性能とは言え防災の観点から結構重要視すべき性能なので、安全靴購入の際はチェックすべき項目です。

付加的性能一覧
  • 耐踏み抜き性
  • かかと部の衝撃エネルギー吸収性
  • 耐滑性
  • 足甲プロテクタの耐衝撃性

付加性能 1.耐踏み抜き性

安全靴の付加性能 、耐踏み抜き性

くぎ等が靴底を貫通した際に足裏の負傷を防ぐための性能試験です。徐々に力を加えていって、貫通した時のN(ニュートン)を測定します。下記表の通り1,100N以上でなければ、貫通しないと言うことです。

記号 性能等
記号P くぎ貫通時の力が1,100N以上

付加性能 2.かかと部の衝撃エネルギー吸収性

かかと部分が吸収するエネルギーが最低でも20J(ジュール)以上であるということになります。避難所迄の距離が遠い場合は、重要な性能かもしれませんね。この性能が悪いとかかとが痛くなってしまうでしょう。

記号 性能等
記号E 吸収エネルギー20J(ジュール)以上

付加性能 3.耐滑性

滑って転んでしまわないようにするための性能です。靴に垂直に荷重をかけた状態で、金属製の床を滑らせて測定(動摩擦係数を測定)します。

記号 性能等
記号F 動摩擦係数が0.20以上

付加性能 4.足甲プロテクタの耐衝撃性

安全靴の付加性能 、足甲プロテクタの耐衝撃性

つま先には既に鉄板が入っているので「足甲プロテクタ」とは足の甲を守るためにつけるプロテクタなので別物です。安全靴に最初からついているものと、後から別途装着するタイプがあります。

記号 性能等
記号M 100J(ジュール)の衝撃エネルギーを与えた際に25mm以上の空間を確保する 等

もう一つの安全基準JSAA(プロテクティグスニーカー)

もう一つの安全基準JSAA(プロテクティグスニーカ)

つま先に金属が入っているスニーカータイプの製品をホームセンターでご覧になった事があると思います。スニーカータイプの製品は、JIS基準ではなく日本保安用品協会(JSAA)の認定品が多くを占めています。

プロテクティブスニーカー

つま先に金属や硬質樹脂先芯を装備しており、日本保安用品協会が定めた一定の安全性能や耐久性を備えたスニーカー調の作業靴です。
参考:日本保安協会 プロテクティグスニーカー

この「プロテクティブスニーカー」の規格に則った性能や耐久性を有する作業靴を総称して「プロスニーカー」と呼んでおり、いわば愛称というわけですね。このプロスニーカーですが以下のような警告がありました。

近年、安全性能をうたった外国製スニーカータイプ製品の中に、あたかも「安全靴のJIS規格品」と誤解を与えるような表示をしたものや安全性能や耐久性に問題のある製品も多く見受けられます。
参考:日本プロテクティブスニーカー協会

スニーカータイプの安全靴は、認定マークがついたものを購入するようにしましょう。認定マークは製品の箱に記載されています。

日本保安用品協会(JSAA)のプロスニーカー基準

日本保安用品協会(JSAA)のプロスニーカー基準

認定基準を見ていきましょう。安全靴との違いは、重作業用の区分がない点と、付加的性能の規格名(例えば踏み抜きの「P」等)の記載がありません。規格名がないというだけで、性能が全く無いというわけではありません。

性能を有している場合は、きちんと分かるようにマークが表示されることになっています。プロスニーカーを購入する時は、表示されているマークをチェックすると良いでしょう。

プロスニーカー 1.耐衝撃性能

重作業用の区分はありません。ストライカ(約20kg)を指定の高さからつま先にかけて落下させます。

記号 ストライカを落下させる高さ
普通作業用(記号A) 36センチ
軽作業用 (記号B) 15センチ

プロスニーカー 2.耐圧迫性能

重作業用の区分はありません。

記号 圧迫荷重
普通作業用(記号A) 10kN
軽作業用 (記号B) 4.5kN

プロスニーカー 3.表底のはく離抵抗

重作業用の区分はありません。

記号 荷重(革製)
普通作業用(記号A) 300N以上
軽作業用 (記号B) 250N以上

プロスニーカー 4.漏れ防止性能

プロスニーカーに漏れ防止の性能基準はありません。

プロスニーカー 5.耐踏み抜き性

性能を有している場合、マークが表示されます。くぎ貫通時の力が1,100N以上

プロスニーカー 6.かかと部の衝撃エネルギー吸収性

性能を有している場合、マークが表示されます。吸収エネルギー20J(ジュール)以上。

プロスニーカー 7.耐滑性

性能を有している場合、マークが表示されます。動摩擦係数が0.20以上。

安全靴とプロスニーカーのまとめ

安全靴とプロスニーカーのまとめ

安全靴と言っても、単に鉄板が入っているだけではなく厳格な安全基準のもとに製造・販売されていると言うことがお分かりいただけたと思います。少々マニアックな話もしてしまいましたが、「安全」について考えつくされている製品ですから、安心して防災用品として活用できるというわけですね。

安全靴を購入するか、スニーカータイプを購入するかは、ご予算と相談して検討してみて下さい。

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