南海トラフを知る!いつ起こるのか?被害はどの程度?避難者950万!

南海トラフを知る、いつ起こるのか、被害はどの程度なのか

南海トラフの地震発生のメカニズム

南海トラフの場所

図の赤い部分が南海トラフです。トラフとは、プレートが沈み込むことで出来る細長い海底凹(くぼ)地をいいます。伊豆半島の西側から九州のあたりまで絵延々とくぼちが続いておりそれを南海トラフとよんでいます。

トラフでは、大陸側プレート(日本側のプレート)の下に海洋プレート(海側のプレート)が年数センチ沈み込んでいます。日本側のプレートを「ユーラシアプレート」、海側のプレートを「フィリピン海プレート」といいます。

沈み込みは歪みを生みエネルギーとなって蓄積され、限界に達して開放された時に大きな地震が発生します。

南海トラフのメカニズム

南海トラフといっても長いですから、どこで歪が蓄積されていて次に開放されるか正確なところはわかりません。しかし過去の歴史をさかのぼると、南海トラフ周辺を震源とする大地震は100年~150年周期で発生しており、東海・東南海・南海・日向灘のうち、「東海地方」が前回発生した地震からすでに約160年経過しているので、そろそろ大規模な地震がきてもおかしくないという事なのです。

前回の地震の場所 発生年 マグニチュード
昭和 南海地震 1946年 M8.0
昭和 東南海地震 1944年 M7.9
安政 東海地震 1854年 M8.0クラス

定期的に歪が開放されていれば地震の規模は小さくなると言われています。しかし東海地方については、150年以上の間エネルギーが溜まりに溜まった状態と言うことになります。

最近の研究では「東海~日向灘」迄全域に渡って同時に地震が発生する最悪のケースも取り沙汰されていますが、できれば御免被りたいところです。

コラム 海溝とトラフの違いとは?

両者ともプレートが沈み込むことで出来る細長い海底凹地ですが、6,000mよりも浅いものがトラフと呼ばれています。地球でもっとも深い事で有名なマリアナ海溝は深度1万メートル以上です。

大地震の前兆はあるのか?南海トラフはいつ頃おきそうなのか?

大地震の前兆はあるのか?南海トラフはいつ頃おきそうなのか

「地震調査研究推進本部」の将来の地震の可能性によると以下のとおりです。

地震の可能性
  • 地震の規模 :M8~9クラス
  • 地震発生確率:30年以内に、70%程度

地震調査研究推進本部は、地震に関する調査研究の成果が国民や防災を担当する機関に十分に伝達され活用される体制になっていなかったという課題意識の下に、行政施策に直結すべき地震に関する調査研究の責任体制を明らかにし、これを政府として一元的に推進するため、同法に基づき総理府に設置(現・文部科学省に設置)された政府の特別の機関である。出典:政府 地震調査研究推進本部

なたが現在20歳だとしましょう。30年後にはお子様が成人している頃でしょうか、その頃までに7割の確率で壊滅的な被害をもたらす地震が発生します。「まだ結構先だなあ・・・」と思われるかもしれません。

30年先に7割というわけではないので、もしかしたら明日かもしれません。相手は地球のプレートですすから、そのご機嫌は現在の科学技術では読み切れません。(※読もうと様々な分野の方々が日夜努力されている点は頭が下がります)

地震雲、頻発する地震、生物の異常行動など「地震がおこるのでは?」と感じさせる予兆はあまた存在するのですが、本当の所は誰にもわからないのが実情です。

残念なことに、何の科学的根拠もない予言や未来予知的な情報も錯綜しています。一つ確実なことは、日頃から備えておかなければ、後述する被害に巻き込まれた時に悲惨な目に合うということだけです。

来るべきその日のために準備している人はいますし、自治体や行政も必死になって対策や支援策を打ち出しています。せっかく警鐘をならしてくれているのですから、我々にできることは確率を論ずることではなく、確実に備えておくことです。

どの程度の被害想定になるのかを知る

どの程度の被害想定になるのかを知る

現状考えうる最悪のシナリオを想定して確認していきましょう。細かい条件は省略しており、数値は都度見直しされていますので、あくまで目安と思って下さい。しかし、目安と言うにもあまりにも現実離れした数字が算出されています。

項目 状況
最も被害が多い地域 東海地方が最も大きい被害を被るパターン
地震動(陸側ケース) 震源域が陸側に近く地震による被害が最も酷い状況
津波ケース 東海地方(駿河湾~紀伊半島の津波被害が最も酷い状況)
発生時間帯 冬季の夜間に発生した場合を想定
早期避難率 避難の意識啓発、避難計画の策定が十分でなく低い状態
風速 風速8m/sで火災による被害が拡大し易い状態

想定されうるシナリオの概要

地域は、人口密集地帯の東海地方が最も被害が多い状況で震源域が陸側に近く、家屋に対する直接的な被害が出やすい状況。

発生時間帯は冬のしかも夜間ですから、逃げ遅れる人が続出します。運良く避難できても、真冬のため防寒対策が出来ていない被災者の被害が、さらに拡大するというまさに最悪のシナリオです。

数値だけ見ても桁が多すぎてイメージしづらいですが、まさに目を覆いたくなるような惨状であることが想像できます。比較のため、可能な限り東日本大震災の状況も合わせて記載しています。

記載の数値はおおよその目安となっていますが、とてもショッキングな数値が出てきます。

建物への被害状況

建物の全壊+火災による消失数は、約180万棟というとてつもない数字になっています。津波の被害だけとっても、東日本大震災を上回る被害が想定されており、被害の及ぶ範囲がいかに広いかという事を物語っています。

項目 南海トラフ(予想) 東日本大震災
津波以外による全壊 1,486,500 10,000
津波による全壊 146,000 120,000
地震火災による焼失 191,000 300

>人々への被害状況 死者数

死者数の想定は東日本大震災の約20倍という、おびただしい数の方々が亡くなるという衝撃的な数値が算出されています。東日本大震災は震源が深かったため地震による「揺れ」による直接死の割合は低く、死因90%以上は津波による「溺死」となります。

項目 南海トラフ(予想) 東日本大震災
建物倒壊 82,000
津波 230,000
その他の原因 630
合計 322,630 19,000

人々への被害状況 負傷者数

負傷者数の想定は東日本大震災の100倍という数値が出てきています、あまりにも現実離れした数値です。最悪のシナリオを想定した場合、この程度の負傷者数は出る、という事実は変えられないようです。

項目 南海トラフ(予想) 東日本大震災
負傷者 623,000 6,200
行方不明 2,600

人々への被害状況 避難者

1週間後の避難者は最大で約950万人、避難所への避難者は1週間後で最大500万人と想定されています。とてつもない数の人々が避難所へ押し寄せる事になります。

自治体が用意している備蓄品では、持たない可能性がありますから、個人できっちりと備えておく必要がありそうです。食料等の備蓄のデータは次のセクションを見て下さい。

項目 1日後 1週間後
避難者総数 700万人 950万人
内 避難所への避難者 430万人 500万人

※東日本大震災の場合、ピーク時の避難者数は40万人超です

人々への被害状況 食料や水等の物資不足の試算

被災後の食料や水等の不足に関する試算のデータがあります。これは公的備蓄ではとても持たない事を意味しており、もう既に食料や水が足りなくなることがわかっているという事になります。

その数、3日間で3,200万食です。これはとんでもない数字です、補給が滞ればそれだけの人々が飢えるということなのですから。

項目 1~3日 合計 4~7日 合計
食料不足(万食) 3,200万食 6,400万食
水不足(万リットル) 4,800万リットル 9,700万リットル

水道・電気・ガス等インフラへの被害状況

被災直後のインフラの状況について整理してみましょう。ここに記載以外の交通関係のインフラ、道路・鉄道・航空・港湾等も被害が想定されており、被災直後の交通網は完全に麻痺状態となる事が見込まれています。

項目 被災直後 被災1週間後
断水人口(人) 34,400,000 17,400,000
下水道利用不可人数(人) 32,100,000 2,300,000
停電軒数(軒) 27,100,000 880,000
携帯電話 停波基地局(%) 16% 2%
ガス供給停止戸数(戸) 1,800,000 1,500,000

水道・電気・ガス等インフラの復旧状況

復旧のめどは地域によってばらつきがあります。比較的はやく復旧するのが電力と通信網ですから、電気式コンロなどを防災用品として用意しておき、はやく復旧したインフラを上手く活用できるような体制を整える必要がありそうです。

項目 95%復旧迄の期間
断水 4~8週間
下水道 数日~5週間
電力 数日~2週間
携帯電話 数日~4週間
ガス供給停止戸数(戸) 2~6週間

住んでいる地域の被害想定を知る

住んでいる地域の被害想定を知る
出典:J-SHISMAP

東海・近畿・四国・九州の南海トラフの影響を受ける太平洋沿岸地域の方々は、自分の住まいがどの程度の被害に見舞われるのか気になることかと思います。地震ハザードステーション「J-SHIS」のホームページがとても詳しく情報を表示することが出来ますので、一度は確認しておきましょう。

将来日本で発生する恐れのある地震による強い揺れを予測し、予測結果を地図として表したものを「地震調査研究推進本部」が作成ました。その作成の前提条件となった地震活動・震源モデル及び地下構造モデル等の評価プロセスに関わるデータも併せた情報群として捉え、共通情報基盤としてシステム化したものがJ-SHISシステムです。 出典:J-SHIS

口であれこれ説明しても仕方が無いので、そのシステムの実力の片鱗を見せて頂きましょう。表示している条件は、今後30年で震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布です。日本を俯瞰で見た地図ですが、すごく分かりやすいですね。

色が濃いところほど確率が高く「赤色が濃い」部分が100%に限りなく近い確率です。伊豆半島から四国までの範囲が真っ赤になっています。これは、沖合に南海トラフが通っている地域になります。

今度は限界まで拡大してみましょう、皆さんご存知の愛知県にあるトヨタの本社工場のあたりを拡大してみましょう。なんということでしょう、真っ赤っ赤です・・・。

南海トラフは太平洋工業ベルト地帯とほぼ平行に走っていますから、もし地震が発生した場合そのあたりの工場は軒並み機能停止に陥る可能性があります。そうなると日本の工業生産高は激減し、その後の経済に計り知れない打撃を与える事でしょう。

被害総額は最大で200兆円以上ともいわれていますから、仮に復興出来たとしても私達の日常はおおきく変わってしまうかもしれません。例えば、日用品の高騰・失業率の大幅な悪化・治安の悪化等が懸念されます。

南海トラフの恐怖に備える まとめ

「南海トラフは危険!」「被害が甚大!」と良くテレビなどで報道されていますが、最悪のシナリオを想定した数値であるとはいえ、具体的な数値や詳細な情報を見ると、大規模な災害になるかということが見えて来ました。

果たしてあなたはこの数値を目の当たりにして、まだ「自分だけは何とか助かるはず」と思えるでしょうか?

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